えずこホール開館20周年記念事業 えずこせいじん博覧祭

えずこキャラバン

ISOPP

アウトリーチ

2016.10.5

事業概要



10月5日、白石市立白石第二小学校で開催されたのは、元ブレイクダンス世界チャンピオン・ISOPPさんによるアウトリーチ。同校3年生の生徒を対象に、午前と午後の2回行われました。

    アーティスト プロフィール

  • ISOPP
    高校1年の時、福岡でダンスを始め、BEST of BESTで優勝。RAVE2001などでメディアに露出。2002年、東京で Perfect Combustionを結成。2006年フランス開催のトータルセッションで優勝。2008年から、えずこホールのアウトリーチ事業を展開。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。NHK「ストレッチマンV」でレギュラー出演。活躍の場を広げる。

    体を動かすことが好きになる! ISOPPさんのダンスレクチャー

  • 10月5日、白石市立白石第二小学校で開催されたのは、元ブレイクダンス世界チャンピオン・ISOPPさんによるアウトリーチ。同校3年生の生徒を対象に、午前と午後の2回行われました。

    自己紹介を兼ねISOPPさんがダンスを披露すると、生徒たちからは「おー!」という歓声が。一瞬で美技に魅了された生徒とともに、最初は簡単な体の動かし方を練習。「体の中にウェーブを入れてみようね!」と、ISOPPさん自ら手本を示しつつ、「おにぎりを作るような感じで!」「おじいさんが椅子に腰掛けるように!」など、面白く分かりやすい言葉で誘うと、生徒たちは笑いながらも一生懸命に体を動かしていました。

    途中、ISOPPさんによるダンス遊びパフォーマンス(この日はかっこよくないマイケル・ジャクソンの仕草)や、ヒューマンビートボックス(発声による擬音で楽器などの音を再現するパフォーマンス)の練習方法のレクチャーなどを経て、みんなで一連のダンス習得へ。〝ポッキーダンス〟〝ランニングマン〟など、人気ダンスをはじめとした数種類の動きを織り交ぜたものでしたが、生徒たちはなんと数分で覚えてしまいました。

    「じゃあ発表しようか!」というISOPPさんの提案で、2組に分かれ、交互にステージ上で披露することに。初めこそ躊躇しつつも、恥ずかしながらも一度ステージで踊ってしまった後は、ダンスが、そして見てもらうことが楽しくなったようで、生徒たちは「もう一回!」「もっと踊る!」と競うようにステージへ上がって行きました。

    95分のアウトリーチはあっという間。最後に生徒らはISOPPさんとハイタッチをしてお別れしました。

  • 手始めはウェーブから

    子ども達に人気の”ランニングマン”

    グルーブごとにステージで発表

    アウトリーチ終了後、ISOPPさんへの一問一答

  • ——今日の感想をお願いします。
    疲れました(笑)。でも、元気もらえますね、子供たちはすごく素直なんで。最後、競争するようにステージに上がったじゃないですか? あれも、普段こういう体験をしていないだけで、慣れると自分からやりたいってなるんですよ。やっぱり、きっかけになれると嬉しいですよね。〝今まではやろうともしなかったけど、やり方がわかったら、楽しいんだったら俺やりたい!〟ってなる。10分前までと別人になる。キラっキラっしていくんです、目が。最後、(子供たちがステージに上がるのを)止められなかったです(笑)。時間ないのに、もっとやりたいって。ここの学校、いろんなところに〝夢に向かって〟って書いてあるんですけど、僕の場合、夢は知識だと思っています。知識が入れば、それが夢に変わる。僕も中学校の時に初めてダンスってものを見て、ダンスの知識が入って、夢に変わったみたいな感じなんですよね。そういうきっかけになれることが一番嬉しいですね。

    ——アウトリーチやワークショップをやる上で大事にしていることは?
    一番意識しているのは、人気者のお兄ちゃんになって帰ることなんですけど(笑)。大事なのは、とにかく最初。100メートル走でもそうなんですけど、よーいドンで、出鼻でくじいちゃったら終わっちゃうので、第一印象、ファーストインパクトがすごい大切。だから(子供たちと会った)最初の挨拶とか、表情とか、空気感とか、そこを一番意識していますね。あとは、どういうことを伝えたくて僕はここにきたのかってのを、常に頭に置いてやっています。

    ——ダンスを通じて伝えことは?
    子供たちってどこにダイヤの原石が埋まっているのかわからない。引き出してしまえばギラギラと輝き始めるんですけど、それが何かがわからないだけであって、でも心の奥底に眠っているんです。一ダンサーとしては、子供たちがダンスと出会って〝キターこの感じ! 見つけました、僕の中のダイヤ!〟みたいな、誰かの革命のタイミングに遭遇したいというか、ダイヤを発掘できないかなって気持ちでやってますね。なんでもいいです、とにかくダイヤを引き出したい。それが一番、意識していることですね。

    そして上手下手(じょうずへた)は関係ない。間違えることをダメって縛りつけたら、恐れて何も挑戦しなくなると思う。〝大いに間違っていい、その代わり完全燃焼でやれ〟みたいなスタイルの方が僕は好きですね。「間違えたけどイエー!」って。間違えたって誰も覚えていないですよ。間違えることが恐怖のまま大人になったら大変ですよ、何もしなくなっちゃいますよ。

    ——ご自身がダンスを踊られる時はどんな気持ちで踊っているのですか?
    コンテストや大会、子供の前、心持ちはそれぞれ違います。だけど、〝僕はダンサーとして今ここにいるんだ〟、そして命を感じながら、〝思いっきり完全燃焼してやる〟って気持ちは全部一緒です。僕は一度、大きな病気をしたので、1秒の尊さを感じながら踊れることが幸せです。

    ——えずこホールへのメッセージをお願いします。
    えずこさんとの付き合いは10年以上になりますかね。僕はNHKの『ストレッチマン5』に出ているんですけど、それをストリートダンサーの僕がなぜ出演できているかっていうと、(プロデューサーが)『一番多く学校訪問をした人』で検索して僕が出てきて、オーディションを勧められたのがきっかけなんです。えずこさんとの出会いがなかったら、学校巡り自体していなかったと思うんでね。だから、僕が『ストレッチマン5』をやっているのは、えずこさんのおかげなんですよね。のべ2000人を超える生徒と関わらせてもらって、一緒にダンスを、それも授業としてやらせてもらっていることに感謝しています。これからも体が動く限り、やりたいですよね、爺さんになるまで(笑)。えずこさん、よろしくお願いします!
    (文:乾祐綺)